'16-12-27 貸金業法改正10年によせて
貸金業法改正10年によせて
~新たなる決意をもって取り組んでいく~




2016年12月27日

全国青年司法書士協議会
会長 梅垣 晃一


 多くの多重債務者の救済につながった平成18年の貸金業法の改正から10年が経過した。この10年という節目に際し、全国約2800名の青年司法書士で構成する私たち全国青年司法書士協議会は、以下の通り声明を発する。
 出資法の上限金利の引下げ及び収入の3分の1以上の貸付の禁止(いわゆる総量規制)等を内容とする貸金業法の改正により、多重債務者や自己破産者は減少し、多重債務問題は一定の成果をあげてきたといえる。しかし、最近では、総量規制の適用とならない銀行等による融資(主にカードローン)について、貸金業者が保証を行うケースが増えている。このような形態の融資は、貸金業者が保証の審査という形で実質的な審査を行い、延滞した場合には銀行等に直ちに代位弁済し、その後の債務者に対する取立ては貸金業者が全て行うというものであり、その実質は、貸金業者による貸付と同視できるものである。すなわち、銀行等のカードローンという形で、貸金業法の総量規制の潜脱ともいえる融資が行われており、過剰融資や多重債務問題を再燃させかない事態に陥っている。
 さらに、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(いわゆる「カジノ解禁法案」)が先の臨時国会におけるわずかな審議だけで成立した。同法は、一定の条件の下にカジノという民間賭博場の設置を認めるとするものであるが、刑罰法規との整合性が欠如していることはもとより、多重債務問題やギャンブル依存症の問題などの様々な社会的な問題が懸念されることから、当協議会は反対してきたところである。
 上述したような総量規制の潜脱的な融資やカジノ解禁法の成立の動きは、多重債務問題が貸金業法の改正により大きく前進したことに逆行するものである。
 当協議会は、総量規制の潜脱に対し適正な規制を求めるとともに、カジノ解禁法については具体的な実施法の制定に対して反対をしていくことなどにより、貸金業法改正後に生じているこうした様々な問題に引き続き積極的に取り組んでいくことを、ここに決意するものである。

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