'12-07-25 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(仮称)」に関するパブリックコメント

厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課 御中



意見の趣旨



1.改正労働者派遣法第23条5項の規定による情報の提供は、事業所への書類の備え付け、インターネットの利用に限定すべきである。


2.待遇に関する事項等の説明は、派遣労働者として雇用しようとする者との面談の上で、書面の交付によるべきである。







意見の理由




1.派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合等の情報公開を義務づける改正労働者派遣法第23条5項は、派遣元事業主による不当なマージンの収受の抑止効果が期待できるものであり、派遣労働者の保護を図る上でも重要な制度であると思われる。したがって、本制度が有名無実化することのないよう、本制度の運用にあたっては慎重を期すべきである。
ところで、上記情報提供の方法として、平成24年6月28日付「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」(以下「本省令案」という)では、「事業所への書類の備え付け、インターネットの利用その他の適切な方法により行うものとする。」とされている。その中でも、事業所への書類の備え付け、インターネットの利用に関しては、いかなる者であっても情報を得ることのできる情報提供の方法であると考えられるが、「その他の適切な方法」は、情報を提供する側である派遣元事業主の解釈に委ねられた曖昧な表現であり、それ次第で不十分な情報公開となり、また、情報を受け取る側にとっても情報へのアクセスに困難を来す可能性があることも否定できない。
よって、本制度が実効性あるものにするためにも、本省令案の改正にあたっては、「その他の適切な方法」という曖昧な表現は避け、情報提供の方法としては「事業所への書類の備え付け、インターネットの利用」に限定すべきであり、仮に「その他の適切な方法」による情報提供を認めるとしても、届出を義務付ける等、行政による監督が行き届くようにするべきである。




2.改正労働者派遣法第31条の2は、派遣元事業主に対し、派遣労働者として雇用しようとする者への待遇に関する事項等の説明を義務付けているが、本省令案は、その説明方法として、「書面の交付、ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信その他の適切な方法により行うものとする。」としている。

しかし、派遣労働者として雇用しようとする者に対し説明すべきとされる①労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項、②事業運営に関する事項、③労働者派遣に関する料金の額の明示はいずれも重要な事項であり、これらの説明がファクシミリや電子メール等の簡易な方法によりなされるようなことがあれば、派遣元事業主の一方的な行為により、『説明』が済まされたことになり、待遇に関する事項等の説明を義務づけた趣旨が失われかねない。

よって、待遇に関する事項等の説明は、派遣労働者として雇用しようとする者との面談の上で、その者への書面の交付をもって行うべきである。


以上


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