'12-07-25 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令案(仮称)」に関するパブリックコメント

厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課 御中



意見の趣旨


1.日雇派遣の原則禁止の例外として認められる業務は、高度の専門性をもった業務に限定すべきである。


2.日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合は、法文通り、「雇用機会の確保が特に困難な場合」に限定して認めるべきである。






意見の理由



1.日雇派遣は、あまりにも短期の雇用・就業形態であることから、派遣先・派遣元の双方で適切な雇用管理がなされず、また、事業主のコンプライアンス意識の低さ等から禁止業務への派遣や二重派遣、賃金からの違法天引き、労働災害の多発などの問題が指摘されてきた。本件の法改正は、上記のような立法事実を受けて、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために、日雇派遣という極めて不安定な雇用形態を原則として禁止したものである。したがって、法律上原則として禁止された日雇派遣を、政令で広範に認めることは、法律の規定を全く骨抜きにするものであって認めることはできない。

政令案は、労働者派遣法4条各号に掲げる業務のうち、特別な雇用管理を必要とする業務及び日雇派遣がほとんど利用されない業務を除いた業務(17.5業務)を日雇派遣の原則禁止の例外となる業務として認める規定を置いているが、この中には、専門性に乏しく、日雇派遣を許容する業務として適切でないものも含まれている。

例えば、事務用機器操作業務(5号)は、電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作業務、及びその過程において一体的に行われる準備及び整理の業務をいうが、本業務の付随業務には、就業場所のごみ捨て、清掃、後片付け、用紙の補給、電話対応、書類整理なども含まれると解されており、解釈によっては、幅広く業務を拡大し得る余地が残る。また、ファイリング業務(8号)は、文書、図書、新聞、雑誌、帳簿、伝票、カード、磁気テープ等についてファイリングの分類の作成又はファイリンングを行う業務をいうが、文書等の整理及び保管を行う業務は、事務用機器の操作業務と同様、専門性に乏しく、特別な雇用管理を必要とする業務と考えられる。これらの業務は、若者や主婦層などが比較的低賃金で稼働することが多く、専門性も乏しいことから例外として認めるべきではない。

その他、インテリアコーディーネーター業務(21号)やアナウンサー業務(22号)などは、現在、日雇派遣がほとんど利用されていない業務であるため、例外として認める必要性は乏しいと言わざるを得ない。日雇派遣の原則禁止の例外として許容される業務については、高度の専門性をもった業務に限定すべきである。



2.また、政令案は、日雇派遣の禁止の例外となる場合として、①日雇労働者が60歳以上の者や②昼間学生の者、③日雇労働者の収入額が500万円以上の者(副業)、④日雇労働者が主たる生計維持者でない者(世帯収入が500万円以上である者に限る)を認める規定を置いているが、改正法第35条の3は、日雇派遣が例外的に認められる場合として「雇用機会の確保が特に困難な場合」に限定している。上記政令案の③、④の要件は、雇用機会の確保が特に困難か否かとは無関係であり、一定の収入要件を満たせば日雇派遣を認めるもので妥当ではない。

本改正による規制の目的は、低賃金や労働災害の多発、雇用責任の低下という劣化した雇用形態の改善だったはずであり、一定の収入があれば、業務を問わず日雇派遣を認める趣旨ではない。

したがって、日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合は、法文通り、「雇用機会の確保が特に困難な場合」に限定すべきである。



以上


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