'12-07-25 「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案(仮称)」に関するパブリックコメント

厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課 御中


意見の趣旨



改正労働者派遣法第30条に基づく、有期雇用派遣労働者等の期間を定めないで雇用される労働者への転換の推進に関して、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針として、次の内容を追加するべきである。
派遣元事業主は、労働者派遣法第30条の規定による措置を講ずるにあたっては、当該措置の対象となる有期雇用派遣労働者に対し、

①面接又は書面の交付の方法により、

②当該有期雇用派遣労働者等が、労働者派遣法第30条の規定により、期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進することが適当である者に該当する事実を通知するとともに、

③期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進するための措置として派遣元事業主が講じる措置を説明したうえで、

④当該措置に関する当該有期雇用労働者の希望を聴取しなければならない。





意見の理由


有期雇用派遣労働者等に関し派遣元事業主が講ずべき措置の一つとして規定された、期間を定めないで雇用される労働者への転換の推進(法第30条)は、今般の法改正の目的である派遣労働者の保護を徹底するうえで基幹となる制度である。したがって、法第30条の措置が形骸化したり、対象となる有期雇用派遣労働者等に周知されないことにより有名無実化したりすることのないよう、同規定の実施については、派遣元事業主に慎重かつ丁寧な手続き求めるべきである。

具体的には、上記意見の趣旨①から④に示したとおり、有期雇用派遣労働者等に面接をし、又は、少なくとも書面の交付を行って、当該労働者が期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進することが適当である者に該当する事実を知らせるとともに、派遣元事業主が講じている措置について丁寧に説明を行ったうえで、当該措置を受けるかどうかの希望を聴取するように義務づけるべきである。こうした慎重かつ丁寧な手続きを履行させることにより、期間を定めないで雇用される労働者への転換の機会が実質的に保証され、法第30条の趣旨が現実のものとなる。

他方、このような慎重かつ丁寧な手続きを派遣元事業主に求めるにしても、有期雇用派遣労働者等と直接的な雇用関係を結ぶ派遣元事業主に特段の不都合はないことは自明であるといえよう。

これに対し、平成24年6月28日付の告示案に記載された概要には、「派遣元事業主は、当該措置の対象となる派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者(以下「派遣労働者等」という。)に対し、労働契約の締結及び更新、賃金の支払等の機会を利用し、又は電子メールを活用すること等により、期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進するための措置を受けるかどうか等について、派遣労働者等の希望を把握するよう努めるものとする。」とある。すなわち、派遣元事業主としては、当該措置を受けるかどうか等の点について電子メール等で希望を聴取すれば足りるとされている。

このような指針により法第30条が運用されるならば、当該措置を受けるべき有期雇用派遣労働者等にとっては、どのような根拠に基づいて当該措置を受けるかどうかの希望を聴取されているのか、そして、どのような措置を受けることができるのか十分に理解できないまま、簡易にメール等で意思確認が済まされてしまうことになり、結果として、期間を定めないで雇用される労働者への転換の機会を失ってしまう可能性がある。そのような結果は、法が意図しないところであることは言うまでもない。

したがって、派遣元事業主の講ずべき措置に関する指針の一部改正にあたっては、意見の趣旨に記載のとおり、派遣元事業主に対して上記①から④に示しているような慎重かつ丁寧な手続きの履行を求める旨の内容を追加すべきである。


以上


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