'13-12-27 原発事故被害者の仮設住宅間移転を柔軟に認めることを求める要望書(各都道府県知事宛て)を提出しました。

全青司2013年度会発第89号
2013年12月26日

原発事故被害者の仮設住宅間移転を柔軟に認めることを求める要望書

都道府県知事 各位

全国青年司法書士協議会
会 長 谷 嘉浩
東京都新宿区四谷1-2 伊藤ビル7F
TEL03-3359-3513 FAX03-3359-3527
e-mail KYW04456@nifty.com
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私たち全国青年司法書士協議会は、全国の青年司法書士約3200名で構成され、「市民の権利擁護及び法制度の発展に努め、もって社会正義の実現に寄与すること」を目的とする団体である。
当協議会では、福島第一原子力発電所の爆発事故(以下、「原発事故」という。)発生以降、全ての被害者に対し、公正かつ迅速に全ての損害が賠償されるよう、被害者救済活動を行ってきた。そこで、以下の通り要望する。

【要望の主旨】

原発事故による避難の長期化、それに伴う家族の状況の変化など多様な理由により、避難当初の仮設住宅では手狭となるなどの問題が発生している。
本来であれば、原発事故避難者の住宅環境を抜本的に改善することが必要であるが、仮設住宅での避難の長期化などの現状を踏まえて、避難者から要望があった場合に、まずは仮設住宅間移転を柔軟に認めるよう要望する。

【要望の理由】

災害救助法第1条では、「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、被災者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする」と規定されている。各都道府県によってその運用は様々であるが、同法の目的を杓子定規に解釈することにより、原発事故による避難者が劣悪な住宅環境に置かれているという事例も存在する。

一例を挙げると、とある都道府県では、みなし仮設住宅である1Kの部屋に3人が生活しているという事例も報告されており、より良い環境の住宅への移転が早急に認められるべきである。

仮設住宅間の移転について政府は「災害救助法第2条の規定に基づく救助として行われる応急仮設住宅の供与は、災害により住宅が滅失し、現に居住の安定が損なわれている被災者の一時的な居住の安定を図ることを目的とするものであり、また、現に応急仮設住宅に入居している被災者の転居先としては、基本的には、他の応急仮設住宅ではなく、恒久的な住宅が想定されていることによるものである。」「東日本大震災については、被害が甚大で広範囲にわたったため、遠方の応急仮設住宅に入居せざるを得なかった被災者がいたこと等の事情に鑑み、岩手県、宮城県又は福島県において、被災者の具体的な事情等を勘案した上で、やむを得ないと認める場合には、現に応急仮設住宅に入居している被災者が他の応急仮設住宅へ転居することを認めて差し支えないと考えている。」という見解を示している(秋葉賢也衆議院議員の質問に対する野田佳彦内閣総理大臣の平成24年5月18日付答弁書)。

上記のとおり、仮設住宅間の移転はそもそも政府が予測していたものであり、加えて、今回の原発事故は災害救助法が想定している災害を超えるものであるから、なおさら、過去の運用や事例のみで判断することは避けるべきである。
従って、避難者を一括りにして対応するのではなく、それぞれ異なる避難者の状況を個別具体的に判断したうえで、「やむをえないと認める場合」を柔軟に解釈すべきであり、劣悪な住宅状態の避難者に対して、仮設住宅間移転が当然認められるべきである。

よって、各都道府県に対し、原発事故被害による避難者の事情を個別に考慮して、避難者から要望があった場合には、仮設住宅間移転を柔軟に認めることを強く要望する。

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