全国青年司法書士協議会 会長 梅垣晃一

平成28年3月6日、奈良市において開催された第49回定時総会で全国青年司法書士協議会の会長に就任いたしました梅垣晃一と申します。

全国青年司法書士協議会(全青司)は、長年にわたり多重債務問題、消費者問題や労働問題への取り組みを継続し、また生活保護制度その他の権利としての福祉制度への取り組みを中心として、市民の暮らしを包括的に支援する法律実務家を志向し、実践してまいりました。

近時、このような法律実務家の取り組みに福祉的な手法や観点―たとえば、アウトリーチの実践、インテーク力の充実、少数者の権利の代弁(アドボカシー)の観点など―を付加して「司法ソーシャルワーク」又は「リーガル・ソーシャルワーク」の実践ということが謳われるようになっています。全青司は、市民の法的ニーズに隙間なくかつ柔軟に対応する取組みを継続するなかで、自然とこのソーシャルワークを実践してきたものであり、このようなパイオニアとして取組みを今後も一層強めていきたいと考えております。さらに、現場において提起された社会的課題を世論に喚起し、少数者の権利を代弁する活動を続けていきたいと考えております。

そのような思いから、本年度の事業テーマとして、「法と暮らしのセーフティネットの担い手として~想像し、行動し、つながる・つなぐ青年法律家としての司法書士の職責を果たす」と決定しました。 どのような立派な制度(司法、福祉、医療、行政など)が存在するとしても、制度を運用するのは人間であり、その制度と他の制度との間には必ず間隙が生じてしまいます。それゆえに、その間隙を埋める人間が絶対に必要であり、司法書士が、在野にある自由な―所属先の決定に縛られることのない―法律実務家として、フットワーク軽く制度と制度をつなぐプロフェッションとして活躍することで、社会資源としての有用性を一段と高めることができるものと考えております。

他面、全青司会員を含む私たち法律実務家は、今、この瞬間においても、SOSすら発することができない市民の法的ニーズが多数埋もれており、それがゆえに誤解や失望、あるいは偏見や差別により、報道されているような悲惨な、そして凄惨な事件が繰り返されているという現実にも真摯に向き合わなければなりません。そのために、私たち全青司会員2,800名の英知を結集して想像し、行動し、そして、文字通り隙間なくニーズを充足させるための支援のネットワークをつないでいくための不断の努力をすることが求められています。

そのような認識のもと、本年度も執行部一同、全青司活動に取り組んでまいりますので、ご指導ご鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。